嘘つきなポーカー 1【完】
「で、今でもそいつのことが好きなわけだ?」
薫は嘲笑うようにそう言った。
「違う!…もうそれは終わった話だから。忘れて。」
由佳が虚ろな目をして呟くと、薫は大きくため息をついて言った。
「ムカつく。」
「は?」
「お前みたいな分際で色気付きやがって。似合わねー。」
「あんたには関係ないでしょ!」
「関係ねーよ。関係ねぇけどムカつくんだよ。」
由佳が言い返そうとしたその時、華代が嬉しそうな顔をして教室に戻ってきたので、由佳はこれ以上無意味な口喧嘩をしなくて済んだ。
「華代、何しに行ってたの?」
由佳が尋ねると、華代は頬を赤らめて答える。
「実はね…」
そう切り出した華代は、由佳にコソコソと耳打ちをした。