嘘つきなポーカー 1【完】
「あーあ、怒らせちゃった。」
隣でそれを見ていた薫が、頬杖をつきながらそう言った。
「うるさいな…。」
「ま、俺はお前の言うことは正論だと思うけどな。面倒くさそうな奴とは関わらないのが一番。」
「あんたが言うと、素晴らしいほどに信憑性ないね…。」
由佳は呆れながらそう言った。
由佳は少し自分が言ったことを後悔した。
華代のためを思って言ったことだったが、確かに余計なお世話だったかもしれない。
華代はその人を好きなのだ。
好きな人を否定されたら誰だって良い気分はしない。
「言い過ぎたかな。」
由佳が呟くと、薫は呑気に答える。
「あれぐらい、大したことないだろ。明日になったら忘れてるって。」