嘘つきなポーカー 1【完】


黙って話を聞いていた薫は、ようやく口を開いた。


「で?どうすんの?」

「え…?」


華代は不思議そうに薫を見た。


「お前はこのまま笠原を許さないつもり?」

「そういうわけじゃない…」

「じゃあ、どうしたいの?」


華代は暫く考えた後、口を開いた。


「私は…向き合いたい。自分とも、恭平先輩とも。そうすればまた自分の中で何かが変わるかもしれないし。」


華代の言葉に、薫は耳を疑った。


「お前、今なんて?」

「え、だから…向き合いたいって…」

「違う。先輩の名前。」

「え、名前?細谷恭平だけど…」


その時、司会の人が大きな声で言う。


「それでは告白タイム、スタートオォォ!」


それと同時に、体育館に居た人達が一斉に動き始めた。







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