嘘つきなポーカー 1【完】
「大丈夫だった?由佳。」
そう微笑む恭平の優しい笑顔が、由佳は大好きだった。
「うん、ありがとう恭ちゃん…。」
恭平は真面目で正義感が強くて、いつでも由佳を助けてくれた。
恭平は由佳のヒーローだった。
2人で帰る学校からの帰り道。
この時間がずっと続いてほしいと由佳はいつも心から願っていた。
「恭ちゃん…、好き。」
由佳は呟いた。
恭平は少し驚いたような顔を見せた後、優しく微笑んで言った。
「僕も由佳が好きだよ。」
これを恋と呼ぶのかは小学生の由佳にはよく分からなかった。
だけど由佳にとって恭平が特別な存在であることは確かだった。