嘘つきなポーカー 1【完】


だけど幼い頃の約束は、いとも簡単に破られてしまった。


由佳が中学に入学して少しした頃から、恭平はほとんど由佳の前に姿を見せなくなった。
由佳と恭平は別々の中学に進学したために、滅多に会うこともなかった。

たまに偶然出会った時も、恭平は由佳をまるで他人のように扱った。

見る度に、恭平の由佳に向ける眼差しは冷たくなっていった。


そんなある時、由佳は母親に頼まれて恭平の母親への届け物をしに、恭平の家を訪ねた。


その時、由佳は見てしまった。


見知らぬ派手な女と玄関先でキスをする、恭平の姿を――…。












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