嘘つきなポーカー 1【完】
完全に1人なんだ、と由佳は思った。
唯一の味方だった恭平にすら、見放されてしまった。
友達なんて1人も居なかった。
母親には初めから愛してもらえなかった。
「ははは…」
由佳は何故か笑えてきた。
「あははははははははは」
涙を流しながら由佳は笑った。
何かが自分の心の中で音を立てて崩れていくような気がした。
「人間なんてさぁ、優しさなんてさぁ…」
震える声で由佳は呟いた。
「結局全部こんなもんだよ。」
傷付くことが馬鹿馬鹿しく思えた。
傷付く価値すらないと思った。
全部投げ出してしまおう、とその時思った。
きっとそうすれば、もうこんな悲しくて惨めな思いもしなくて済むのだから―――…。