嘘つきなポーカー 1【完】
――――…
「ここに居たんだ。」
由佳と薫の間に流れる沈黙を破ったのは、華代の声だった。
「あれ、どうかした…?」
2人の間に流れる異様な空気を察して、華代は恐る恐る尋ねた。
「どうもしてないよ。」
由佳は何事もなかったかのようにそう言うと、華代にバレないように涙をぬぐった。
薫はずっと黙ったままだ。
「由佳ちゃん、昨日はごめんね。」
華代は申し訳なさそうに呟いた。
「私ね、由佳ちゃんに嫉妬してたの。実は先輩に由佳ちゃんの話して以来、先輩が由佳ちゃんの話ばっかり聞きたがってね。」
「え…?」
「だから由佳ちゃんに嫉妬して八つ当たりしちゃった。でもよく考えたら由佳ちゃん何も悪くないよね。私のこと思って言ってくれたんだし。」
「…うん。」