嘘つきなポーカー 1【完】
7章 壊れた友情
ある日の放課後、由佳が帰る準備をしていると、華代が声をかけてきた。
「由佳ちゃん、もうすぐテストだし、どこかで一緒に勉強していかない?」
「あーごめん。今日は病院行かなきゃいけなくて。」
由佳は自分の右足を指差した。
由佳の右足の骨折がだいぶ良くなり、今日やっとギブスを外すことになっていたのだ。
「ついて行く。」
隣でそれを聞いていた薫が由佳にそう言う。
「いいよ、テスト前だし。2人で勉強してきたら?」
由佳がそう言うと、華代は答える。
「ダメダメ!私も一緒に付いていくよ!」
由佳は断ろうとしたが、2人の押しに負けて、結局病院に付いてきてもらうことになった。
文化祭の日以来、由佳は華代とすっかり仲直りしてより一層絆が深まったし、薫も次の日からはいつもと何ら変わりなかった。
あんなことがあった後だと、少し気まずくなるのかと思っていた由佳は、いつも通りの薫に内心ホッとしていた。