嘘つきなポーカー 1【完】
「うん、オッケーだね。」
医者はギブスを外すと、そう言って微笑んだ。
由佳の骨はほとんど綺麗にくっつき、もうギブスは必要なかった。
奈津子の事件の際には少しヒヤリとしたが、特に大きな影響もなく、順調に回復してきた。
「だけどまだ完全体とは言わないから、激しい運動だけは控えてね。歩くぐらいなら平気だけど。」
医者の言葉に、由佳は頷いた。
由佳はやっとこの邪魔なギブスが外れることが嬉しかった。
このギブスと松葉杖のおかげで、いつも歩くのが面倒で仕方なかったからだ。
ギブスを外してもらい、処置室の外に出ると、薫と華代が由佳を待っていた。
「ギブス、外してもらえたんだ!おめでとう!」
「おー、良かったな。」
薫と華代はギブスの外れた由佳の右足を見て言った。
「うん、ありがとね。」
由佳は2人にお礼を言った。