嘘つきなポーカー 1【完】
「じゃあせっかく由佳ちゃんの足も治ったことだし、どこか寄ってかない?快気祝いってことでさ!」
華代は嬉しそうにそう言った。
「おー、そうだな。」
薫もそう答える。
由佳も断る理由がなかったので、こくりと頷いた。
この2人には足が不自由な間、ずいぶんと助けてもらったものだ。
由佳も2人にお礼をしなければならない。
「どこ行くー?駅前に出来たカフェのチョコケーキが美味しいらしいよ~。」
華代の言葉に、由佳は反応する。
「行く。」
それを聞いた薫は、笑いながら言う。
「お前、ほんと甘いもんに目がないなぁ。」
「あはは。そう言えば由佳ちゃんは甘党だったね。」
3人でそんな話をしながら病院の廊下を歩いていた時だった。
由佳はある人物を見つけて、足を止めた。