嘘つきなポーカー 1【完】
「触らないで!」
由佳はその手を思い切り振り払った。
「今更遅い。」
「……。」
「もう私は恭ちゃんのことなんてこれっぽっちも好きじゃない。」
「……。」
「いつまでも子供じゃないの。」
由佳は冷たくそう言い放つと、恭平の横を通り過ぎて空き教室から去っていく。
恭平はそんな由佳の背中を黙って見つめていた。
「由佳…」
恭平は1人、誰も居ない教室で呟いた。
「僕は君を守るためなら、悪者にだってなれるよ…。」