嘘つきなポーカー 1【完】
だが恭平は薫の攻撃をいとも簡単に避けてしまった。
恭平の目付きが鋭く変わった。
「…小野寺くん、僕のことをなめてもらっちゃ困るよ。」
恭平は静かにそう言うと、薫の顔面目掛けてパンチした。
恭平の拳は見事に薫の右頬に入った。
「一応僕もこのグループの長だからね。」
「…っ」
「僕はね、この日をずっと何年も、心待ちにしてたんだ。」
恭平はそう呟くと、薫に向かって殴りかかった。
しかし今度は薫がそれをいとも簡単に避けると、恭平のみぞおちのあたりに思い切り拳を入れた。
「ぐっ…」
恭平の顔が苦痛に歪む。