嘘つきなポーカー 1【完】
だけどそれも自分の前だけは違うこともまた実感していた。
由佳は恭平の前でだけ、色々な表情を見せる。
恭平はそんな由佳が愛しかった。
由佳は弱い。
何にも動じないように見えて、本当は強がりな弱い子だった。
だけどいつも他人に頼ろうとしない。
いつも1人で抱え込んで、「大丈夫。」と嘘をつくのだ。
幼い頃から由佳と一緒に過ごしてきた恭平は、由佳のそんなところも全部知っていた。
だからこそ、そんな由佳を守ってあげることこそが自分の役割だと、幼いながらに感じていた。