嘘つきなポーカー 1【完】
「由佳のことをいじめないでくれるかな?」
「細谷くん!違うのよ!ちょっと話してただけ…。」
そう言い残して散り散りに去っていく女子たち。
「大丈夫だった?由佳。」
恭平がそう尋ねると、由佳は照れ臭そうに笑って答えた。
「うん、ありがとう恭ちゃん…。」
結局いつも通り2人で帰る。
こんな時間に帰っているということは、おそらく自分のことを待っていたんだろう、と恭平は思った。
今日は遅くなると言ったのに。
そう考えると、恭平はそんな由佳が愛しくてたまらなかった。
「恭ちゃん…、好き。」
突然由佳が発した一言に、恭平は耳を疑った。