嘘つきなポーカー 1【完】
「あぁ、ちょっと転んじゃってね。」
平静を装いながらそう言うと、由佳は呆れたように笑いながら言う。
「恭ちゃん、おっちょこちょいだね。消毒してあげるね。」
恭平は優しく手当てをしてくれる由佳をじっと見つめていた。
華奢な体、小さな手。
それは今にも壊れてしまいそうだった。
「どうしたの?」
じっと見つめる恭平に、由佳が不思議そうに尋ねる。
「どうしたら由佳を守ってやれるか考えてた。」
「私は今のままで十分だよ?」
笑いながらそう答える由佳を、恭平は思い切り抱き締めた。