嘘つきなポーカー 1【完】


その日以来、恭平は由佳とあまり関わらないようにした。

最初は恭平の不自然な態度に不思議そうにしていた由佳だったが、次第に避けられていることを何となく察したのか、由佳もあまり話しかけてこないようになった。


お互いの家に行くことも無くなった。

それどころか、偶然すれ違っても、言葉すら交わさなくなっていた。


仕方がなかった。

由佳が傷付けられることを考えれば、こうしたほうがずっとかマシだと恭平は思った。

自分の変な正義感が、逆に由佳を危険に晒していたのだ。

それならばそんな正義感など、抱かない方が良いと思った。



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