嘘つきなポーカー 1【完】
ある日の夜のことだった。
恭平が自分の部屋でくつろいでいると、母親が1階から恭平を呼んだ。
「恭平ー!女の子が来てるよー。」
恭平は耳を疑った。
今まで、由佳以外が家に訪ねてきたことなどない。
だが由佳と距離が出来てしまった今、由佳が家に訪ねてくるなど有り得ないだろう。
それに、由佳なら何も言わずに家の中に入れてしまうはずだ。
恭平が不思議に思いながら玄関のドアを開けると、そこには1人の派手な女が立っていた。
恭平はその姿を見てすぐに竜崎の取り巻きの一員だと分かった。
きっと竜崎が家の場所を教えたに違いない。