嘘つきなポーカー 1【完】
「何?」
恭平が冷たく尋ねると、女は面白そうに細く笑んで口を開いた。
「恭平くんに会いに来たの。」
「何で?家まで来られるとか迷惑。」
「私、恭平くんのこと好きになっちゃった。」
女は唐突にそう言った。
「ごめんだけど僕は君のこと好きじゃないから。」
「そんなところも含めて好きよ。」
女はそう言うと、恭平の首に抱き付いて、恭平の唇を奪った―――…。
その時、玄関の門の向こうで、ガサッと何かが落ちる音が聞こえた。
恭平が音が聞こえたほうに目をやると、そこには呆然とした顔で立ち尽くす、由佳の姿があった。