嘘つきなポーカー 1【完】
恭平は大きなダブルベッドの上で、目を閉じた。
浮かぶのは、愛しい顔だ。
だがそれを掻き消すように、きつい香水の香りが恭平を包む。
「意外と激しいんだね。」
名前も知らない女が、一糸纏わぬ姿で恭平の隣で横になっていた。
そんな現実に、恭平は目眩がしそうになる。
「ずっとあの子のこと考えてた。」
「……。」
「本当に、分かりやすい子。」
「……。」
「消しちゃいなよ。」
簡単そうに言う女に、恭平はため息をついた。
「どう消すって言うのさ。」