嘘つきなポーカー 1【完】


すると女は、恭平の髪を指差して言った。


「あの子のこと引きずってるから、ずっとそんな真面目ちゃんなんでしょ?」


確かに、恭平の真面目そうな黒髪は、チームでも浮いていた。

チームのメンバーは派手な髪色や格好をしている人がほとんどで、恭平のような真面目な見た目をしている人間なんて皆無だ。


「もうあなたはとっくにあの子の理想じゃないの。いつまでもあの子の理想にすがり付くのはナンセンスだと思わない?」

「……。」

「私は瑠美。あなたのことが気に入った。」

「……。」

「あなたの1番じゃなくてもいいから、あなたの女にしてくれない?」


瑠美はそう言うと、にっこりと微笑んだ。


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