嘘つきなポーカー 1【完】


「だってあいつのこと、好きなんだろ?」


嘲笑するようにそう言う薫に、由佳は食って掛かる。


「それは昔の話で、今はもう何とも思ってないって前に言ったよね?」

「お前のその顔が、全て物語ってんだよ。」

「意味分かんない!せっかく心配してお見舞い来てあげたって言うのに、何でそんなこと言うかな?」


由佳はそう言って立ち上がった。


「もう帰る!」


そう叫んで後ろを向いた由佳の腕を、薫は掴んだ。


「…じゃあ何でお前、そんな泣いてんの。」



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