嘘つきなポーカー 1【完】


由佳は言い返すことをやめ、歯を食いしばった。
それでも、溢れ出す涙を止めることは出来なかった。


「こっち向けよ。」

「嫌だ。」

「素直にあいつのことがまだ好きだって言えばいいのに。」

「それは違う!」


由佳は泣きながら薫のほうを向いた。

今更隠したって無駄だ。


「信じたくなかったの!」

「……。」

薫は由佳の泣き顔を黙ったままじっと見つめている。


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