嘘つきなポーカー 1【完】
11章 クリスマスイブ
時は11月の終わりになった。
あの後薫も無事退院し、華代との間にあった誤解も解け、由佳はまたいつも通りの学園生活に戻っていた。
相変わらず由佳が朝玄関を開ければ家の前に薫が立っている。
最初は抵抗があったその光景も、今では当たり前になってきた。
それは由佳だけではなく学校の生徒たちも同じようで、薫と由佳が一緒に登校する姿を見て騒ぐ生徒もほとんど居なくなった。
陰では今でも色々と言われているようだが、そんなものを気にしていたらやっていけない、と由佳は聞き流していた。