嘘つきなポーカー 1【完】


―――…。


「…で、何?」


生徒達がいなくなった教室で、由佳と和也は椅子に座って向き合った。


「まず、お前に謝らなきゃいけない。あの時はお前のこといじめて悪かった。」


そう言って頭を下げる和也の表情は、いつものふざけた和也とは違い、見たこともないぐらいに真剣だったので、由佳も許さずにはいられなかった。


「…もういいよ、昔のことは。それで、遠藤さんのことって何?」


由佳が尋ねると、和也はますます真剣な顔になった。


「お前と奈津子の間に何があったのか知りたいんだ。」

「どういうこと?」


由佳は和也の言っていることがよく分からず、尋ねる。


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