嘘つきなポーカー 1【完】


「ある日を境に、奈津子がお前のことを悪く言わなくなった。本当に突然だ。だから何かあったのかと思ったんだよ。」


由佳は、奈津子が何も言ってこなくなった原因と思われるあの出来事のことを思い出す。


「……それは多分、私を集団でリンチしようとした遠藤さんに、小野寺薫が本気でキレたからだよ。」


しかし、和也はそれを聞いて首を横に振る。


「多分、そうじゃない。」

「どうして?それしか考えられないよ。」


すると、和也は更に真剣な顔をして口を開いた。


「細谷先輩と杉崎の自主退学、薫の入院、全部お前たちが関わってるんだろ?」


和也の一言に、由佳は驚いて言葉に詰まる。


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