嘘つきなポーカー 1【完】
「でも…恭平先輩のこと好きだったんだよね?」
華代は恐る恐る尋ねる。
「そうだけど…なんかそれは昔から一緒にいてくれるお兄ちゃんみたいな感じで、心のオアシスみたいな…。嫉妬とかは無かったかなぁ。」
由佳が答えると、華代と和也は信じられないというような表情を見せた。
「由佳ちゃん…そのうち分かるよ。」
「そうだそうだ、分かるよ。」
華代と和也はそう言うと、由佳の肩をポンポンと叩いた。
何だか自分が小馬鹿にされたような感じがして、由佳はむすっとした。
薫は確かに由佳にとってとても大切な存在だったが、それはあくまで友人としてだ。
確かに薫は由佳から見てもとてもかっこいいとは思うし、そのかっこよさにドキッとしたことが無いと言えば嘘になるが、それ以上の事はない。
ましてや嫉妬なんて以ての外だ。