嘘つきなポーカー 1【完】
由佳たちはコンビニで飲み物とお菓子をたんまり買うと、華代の家に戻った。
そして華代が玄関の扉を開けた瞬間、リビングの方から声が聞こえてきた。
「好きなの!」
由佳たちはその言葉を聞いて、動きをピタリと止めた。
それは奈津子の声だった。
由佳たちは顔を見合わせた。
なんという最悪なタイミングで帰宅してしまったのだろう、とこの時3人とも思ったに違いない。
「分かってるでしょ…薫…」
「お前も分かってると思うけど、俺にその気はないって何回も言ってるだろ。」
「どうして…じゃあどうしてあの時私を抱いてくれたの!?」
「もう忘れろよ、その時のことは。」
「忘れられる訳ないじゃない!!!」
涙声でそう叫ぶ奈津子の声が聞こえる。
完全に修羅場に遭遇してしまった。