嘘つきなポーカー 1【完】
12章 くすぶる感情
「んもう!お前ら、他人の家でなんて破廉恥なことしちゃってんのー!」
凍った空気を破ったのは、和也だった。
「もしかしてクリスマスイブだからって、テンション上がっちゃった系?もう本当2人には困っちゃうなー!」
そう言って薫の背中をバンバンと叩く桐島の笑顔はどう見ても引き攣っている。
「…るせぇな。」
不機嫌そうにそう言う薫と、由佳はばっちりと目が合ってしまった。
だが由佳は反射的にその目を逸らす。
「えーと… 、私帰るね。」
由佳は口を開いた。
「え、もう?今飲み物とか買ってきたところなのに…」
華代が驚いたようにそう言うと、由佳はコクリと頷いた。
「ちょっと用事思い出しちゃってさ。」
由佳がそう言うと、薫が立ち上がった。
「送ってく。」