嘘つきなポーカー 1【完】
その時、ガラリと勢い良く教室の扉が開くと、和也と奈津子が入ってくる。
「みんな、あけおめ〜!…って笠原、今日は薫休みかー?」
和也は教室に入ってくるなり、由佳の姿を見てそう言う。
「いや、分かんない…」
由佳が答えると、奈津子は不思議そうに尋ねる。
「分かんないって…あんたたちいつも一緒に登校してんじゃん。どうかしたの?」
「喧嘩したんだってさー。」
答えたのは由佳ではなく華代だ。
「しばらく距離置くらしいよ。」
「へぇー、喧嘩したんだ?」
奈津子にそう言われ、由佳はコクコクと頷いた。
確かにクリスマスイブの夜、由佳は薫と喧嘩した。
距離を置いた理由はそれだけではないのだが、喧嘩したということは事実だ。
決して嘘ではない。