嘘つきなポーカー 1【完】
どうしてだろう。こんな風になったのは。
入学早々、いじめのターゲットにされるなんて。
由佳は目立たない存在だった。
容姿も特別可愛いわけでも不細工なわけでもない。
本当に何の特徴もない地味な少女だった。
学校でも目立つようなことは何一つしていない。
誰かに喧嘩を売ったわけでもない。
きっと、たまたまだった。
たまたま誰かが由佳に目を付けて、何となくいじめてみたのが始まりだったのだ。
高校に入学してから少し経った頃、由佳はクラスのある派手な女子のグループから嫌がらせを受けた。
きっと彼女たちは暇つぶし程度にしか思っていなかったに違いない。