嘘つきなポーカー 1【完】
由佳がある1室に逃げ込むと、そこに居た人物は由佳を見て驚いたような顔をする。
「あれ、珍しいね。どうかした?」
松本先生は、保健室にやって来た由佳を見てそう言った。
「昼休みの間、ここに居てもいいですか…」
由佳がそう言うと、松本先生は「いいよ。」と由佳に椅子を差し出した。
「それで、どうしたの?」
松本先生は由佳に尋ねる。
「先生…恋ってなんでしょうか。」
由佳がそう口を開くと、松本先生は「何だ、そういうことか。」と笑った。
「申し訳ないけど、ここには恋煩いに効く薬は置いてないよ。」
「……私が恋してる訳じゃないです。ただ知りたかっただけです。」
由佳は目を逸らしながら呟いた。