嘘つきなポーカー 1【完】
由佳は驚いて華代を見つめる。
「私は由佳ちゃんがどうにか自分で藻掻きながら答えを探して行ってくれればいいって思ってた。」
「……。」
「だから何も言わなかった…だけど今回は言わせてもらう。ここで引き下がるなんて卑怯だよ!」
「……。」
「由佳ちゃんは逃げてるだけだよ。…確かに色々あって傷付くのが怖いのは分かるよ。それでもそこで逃げてちゃ何も始まらないじゃない!」
「……。」
「今回だって逃げようとして、それでも結局好きだって気持ちに嘘はつけなかったじゃない。」
「……。」
「由佳ちゃん、いつだって心は正直だよ…」
由佳は返す言葉が見つからなかった。
華代の言うことは最もだった。
由佳は逃げているだけだ。
そんなことは自分でも分かっている。
それでも傷付くのが怖かったのだ。
「どうすれば良いのか、分からないよ…」
由佳は呟いた。