嘘つきなポーカー 1【完】
――…。
「何事もなかったかのように振る舞う作戦、いい感じだね…!」
華代と2人きりになった時、華代は嬉しそうにそう言った。
「うん…私の挨拶変じゃなかった?」
「うーん、ちょっと声が上ずってたけど、合格圏内。」
「…よかった。」
由佳はため息をついた。
「でも小野寺くんも何だかんだでちゃんと返してたし…仲直りしたいのはお互い様なんじゃない?」
華代は嬉しそうに言う。
「そうだといいけど。」
由佳は不安げに呟いた。
昨日あれから華代と話し合い、薫と今まで通り接するということで話がまとまった。
まずは以前のような関係に戻ることが大事だと、華代は力説してくれた。