嘘つきなポーカー 1【完】
由佳は隣で言い合いをしながらじゃれ合う薫と奈津子と和也を横目に、小さく呟いた。
「…なんか、幸せだな。」
するとそれを聞いた華代は一瞬驚いたような顔をして、嬉しそうに笑った。
「由佳ちゃん、変わったね。」
「え?」
「私が出会った頃の由佳ちゃんは、幸せだなんて言う人には思えなかったのに。」
「…確かに、感情なんて持たないほうが楽だって思ってたぐらいだから。」
由佳は苦笑いした。
「小野寺くんが変えてくれたんだね。」
華代は優しく微笑んだ。
「…ううん、違う。」
「え?」
「みんなが私を、変えてくれたんだよ。」
由佳はそう言って、微笑んだ。