嘘つきなポーカー 1【完】
3章 嫌いじゃない


あの後山頂についた由佳は、即病院送りとなった。

悲惨な目に遭って散々だったが、少しラッキーなこともあった。

1つは、面倒な人たちと一緒に何日も泊まらなくて済んだこと。

そしてもう1つ。


「骨が折れてますね。1週間は自宅で安静にしていてください。」


1週間の間、学校に行かなくて済むようになったことだ。

由佳はあの後すぐ校医の先生に病院に連れて行かれ、そして病院で処置を受けた。
予想通り、由佳の右足首は骨折していた。

由佳の足にはギブスがはめられ、そして松葉杖をついて歩かなければいけないことになった。


骨が折れて良かったとは言わないが、1週間も学校を休む正当な理由が出来たことは由佳にとっては嬉しいことだった。
今日から1週間、平和な日々が訪れるのだ。

1週間も由佳をいじめてくる人たちの顔を見なくて済むと思うと、由佳は気分が晴れ晴れした。


登校した日に女子たちから一体どんな視線を向けられるのか考えると憂鬱にはなったが、由佳は1週間の間はそのことは忘れることにした。

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