嘘つきなポーカー 1【完】
テストを全て返し終わると、渡辺先生は呆れたように口を開く。
「お前ら、クラス平均が30点とはどういうことだ。赤点続出だぞ。」
するとクラス中から渡辺先生にブーイングが巻き起こる。
「先生が難しくし過ぎなんでしょー。」
「もうちょっと簡単にしろよー。」
そんな言葉を遮って、渡辺先生は言う。
「馬鹿言うな。これぐらい出来ないと駄目だ。」
そして渡辺先生は付け加える。
「ちなみに最高点は98点だ。」
渡辺先生の言葉に、桐島が「えー誰誰?」と興味津々に尋ねる。
「小野寺薫だ。お見事。」
渡辺先生の言葉に、桐島は「はいはい、やっぱり薫ですね。」とつまらなさそうに言った。
そしてクラス中の女子から1人の男子に視線が注がれる。
その張本人は一番後ろの窓側の席で、涼しそうな顔をしている。