嘘つきなポーカー 1【完】


「ねぇ、いつまでついてくるわけ?」

「え、お前の家まで。」


さぞ当たり前のようにそう答える薫に、由佳は大きくため息をついた。


「ねぇ、あんたは一体何がしたいの?何か企んでるの?」

「別に?怪我してる奴を家まで送って行って何が悪いんだ?」

「正直に言いなよ。私をハメようとしてるんでしょ?」


訝しげにそう言う由佳のおでこを、薫はピンと指で弾いた。


「痛っ。何する…」


「俺がやりたいと思ったからこうしてるんだ。悪いかよ。」


由佳の言葉を遮ってそう言った薫の顔はいつになく真剣で、由佳は思わず言葉を詰まらせた。



「お前、最近ちゃんと眠れてないだろ。」


薫は由佳の目をじっと見つめてそう言った。

薫の顔はとても真剣で、そしてとても綺麗で、由佳は直視できずに目をそらした。


「そんなことないよ…。」

「嘘つくなよ。俺の目見て同じこと言ってみろよ。」

「……。」





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