優しくないっ、優しさを感じない!


「コ、コースケ!」


ギクリ、がまたやって来た。

それとあとは…ドキン、かな。なんか苦しい。


コースケは変わらずニコニコ笑っている。コースケにとっては何も変わらない普段の日常。友達のあたしが居たから休憩だし顔を出してみた、そんな感じ。

それに何も悪い所なんて無いし、それは本当に当たり前の事。むしろ顔を出してくれたなんて、なんてありがたいんだとあたしは受け取るべきなはず。それなのに、それが分かってるはずなのになんだかあたしの心は、とても重くて暗い。


“どうせコースケはあたしの気持ちなんて気づいてないんでしょ?”

“あたしがちょっと変だったとか、そんな事も分かってくれてないんだ。だからこんなに普通なんだ”

“こんなにいつもとは違うあたしなのに。こんなにいつもとは気持ちも態度も違ったのに。それでもコースケは何も変わらないし、やっぱりあたしの事なんて何とも思って無い”

“だってあたしは、コースケのただの友達だから”

“どうせただの友達だから”


ーーまただ、またこれだ。

いや、またってゆーか…なんかいつもより酷い。



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