優しくないっ、優しさを感じない!


「レナちゃん、ありがとう」


あたしがお礼を言うと、レナちゃんはキョトンとしてあたしを見る。


「レナちゃんが今日ここに行こうって言ってくれて、レナちゃんにあたしの事あんな風に言ってもらえて、コースケの気持ちとか何かそうゆーのがやっと受け止められた気がする。あたし…何かすごく分かった。すごく嬉しかった」


「だからありがとう」と、もう一度告げるとレナちゃんは嬉しそうに微笑んで、「それなら私も嬉しいよ。力になれて嬉しい、ありがとう」なんてお礼を返してくれた。


きっとあたし達はもっと仲良くなれる、そんな気がした。あたしもコースケもレナちゃんも。…そして何故か最後に頭に浮かんだのは、進藤の名前。

進藤…

今日の事を進藤に話したいな、自然とあたしは、そう感じた。


< 108 / 310 >

この作品をシェア

pagetop