優しくないっ、優しさを感じない!


「だからその…まずかったらごめんね。でも一応たくさん作ったから、皆さんでどうぞ…」

「え!つまりそれって、」

「差し入れ⁈ 」


あたしとコースケが詰め寄ったもんだから、レナちゃんは「うん。ごめんなさい…」なんて、更にシュンとしてしまう。いやいや謝るなんてそんな!そんなレナちゃん!


「コースケ!早く開けなよ早く!」

「 あ、おう。良い?霧野さん」

「…どうぞ」


そして心無しか大事そうに開かれた箱(というか大事にしなかったらブチ切れるけど)。その中身を一目見た瞬間、あたし達は「うわー!」と、感動して声をあげていた。


「手作りクッキーだ…!」

「しかもたくさん!」

「うん…一年生だけっていってもたくさんいたと思ったから…一杯作ってみました」


と、言いつつも手を抜いていないのがレナちゃんクオリティ。プレーンとチョコはもちろんのこと、二つの生地を合わせたものや、真ん中にピンクの可愛い飴がついてるものなんかもある。形だって丸や四角の他にも色々盛りだくさんだ。

それを見てあたしが思わず口に出した言葉はもちろん、


「いいなぁ〜」


だったりする。相変わらずのあたしのお腹は年中無休でそうゆーのを求めている。


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