優しくないっ、優しさを感じない!


するとレナちゃんはもう一つ、今度は可愛くラッピングされた袋を鞄の中から取り出した。


「実はヒロちゃんの分もあったりして…」

「レ、レナちゃん…!」


「ありがとーう!」と、あたしはそれを受け取り、即行レナちゃんに抱きついた。なんだか野球部のヤツより気合いを感じるラッピングに少し勝ち誇ったような気分になったりして。

…すると、そんなあたし達を無視するかのように隣で「うん!うまい!」と、ムシャムシャほうばる音が聞こえて来て…


「って、あー!ズルイ!」

「いやいやヒロだって貰っただろ。これは俺のー」

「違うでしょ!野球部のでしょ!あたしも早く食べる!」

「まぁまぁヒロちゃん、試合見ながらゆっくり食べよう?それはヒロちゃんだけのだし」

「あ、それだ。そうしよう!レナちゃんも一緒に食べようね…ってあれ?コースケ試合は?いつやんの?いつ戻るの?」


なんて思い出したかのように尋ねてみると、「はいはいもうすぐですよ。すぐも戻りますよー」と、コースケはあたしにツンと返した。少し拗ねているみたいなそれが少し可笑しかった。


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