優しくないっ、優しさを感じない!
「あたしと?そうかなぁ…まぁでも確かに、ノリが似てるなぁって感じる時はあるけど…」
「うん。優しくて強くて明るくて面白い」
「え…そう?そうかな?なんか照れる」
ニッコニコで何の躊躇いも見せずに言うレナちゃんの言葉に、あたしはついヘラッと顔が緩んでしまった。なんだか褒め殺しされてる気分だ。
「ほら、私の塾の帰りが遅い時とか、ヒロちゃん心配してくれるでしょ?迎えに行くって言ってくれたりして。中村君も部活帰りと時間が合うみたいでよく会うんだけど、心配してくれて駅まで一緒について来てくれるんだ」
「そりゃあそうでしょ!暗くなってるのにレナちゃん一人で帰らせないでしょ!そんな事したらあたしはコースケをぶん殴る!」
「だ、ダメだよヒロちゃん」
「…うん。まぁ半分冗談としてもちゃんと送ってんなら安心だね、いくらでもコースケを使うべきだよ」
「いやそんな、使うなんて…でもありがたいなぁって思ってるよ。最初は緊張してたけど、最近ようやく慣れて来たし。ヒロちゃんに似てるからかな」
「そうだよね、レナちゃん人見知りだもんね…慣れて来たのか、そっかぁ…」
…うん。なんだろう、この感覚。
胸がぽうっと温かい。
「あたし…なんか嬉しいな」