優しくないっ、優しさを感じない!


「あぁ、幼馴染み……へ?幼馴染み?」


…あれ?幼馴染みってあれ、幼稚園から一緒みたいな、そうゆーやつだよね?

え、レナちゃんと、進藤が?…幼馴染み?


普通の単語をそのまま受け止める事に戸惑った。というかそれで合ってるのかとすら思った。それくらい、なんだか信じられないというか、予想だにしないというか、とにかくあたしは驚いたんだと思う。


「じゃ、じゃあ二人は小さい時から仲良いって事…幼馴染みって、そうゆー事?」

「まぁ、親同士が友達だったから、必然的に」

「…そっか、そうだったんだ。…なんだ、そうならそうと、あたしはてっきり…」


……ん?てっきり?


今、自然と口にした、“てっきり”に続く後の言葉。それは一体何なのか。


自分で呟いた言葉であたしは、幼馴染みだって聞いた後にやけに驚いて、なるほどなぁとすぐに納得出来なかった理由を知ることになった。


ーーあぁそっか、それだ。幼馴染みじゃなくて、あたしが思ってたのは…


「“付き合ってたのかと思った”、か?」

「!」


…それは見事に、あたしの気持ちをそのまま表した言葉だった。


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