優しくないっ、優しさを感じない!


「なっ、な、なんで分かったの⁈ 」


驚きのあまり慌てて尋ねるあたしに、当然の顔をして進藤はさらりと言う。


「それが、レナが言いたがらなかった理由だからだよ」

「…え?」


それが、レナちゃんが言いたがらない理由?


「…進藤と、付き合ってたと思われたく無いって事?」

「あぁ」

「で、でも友達だって事くらい言ってくれても…」

「まぁ後は本人に聞きなよ。俺から言うもんでもないし」

「……」


…確かに。

確かに、そうなんだけど…


「…あたし、幼馴染みだって言ってくれたら普通に信じるのに」


俯いたあたしは、地面を見つめてポツリと呟いた。それが理由だとしても…どうしてもそこだけは、受け入れがたい所だったから。


友達だっていうのをーー繋がりがあるっていうのを隠そうとした理由が、その付き合ってたんだと勘違いされたく無いって所にあるんだとしたら、それはつまり、あたしはレナちゃんの言葉を信用しないと思われてるって事で、結局レナちゃんから信用されてないって事になる。


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