優しくないっ、優しさを感じない!


「いいじゃん、幼馴染みなんだって言ってくれれば。むしろ付き合ってたとしても別に気にしないよ、進藤との間にどんな事があったって別に変わる事は無いじゃん、あたしとレナちゃんは友達じゃん」

「……」

「でもさ、そう思ってたのは…あたしだけだったのかな。あたしってそんなに信用出来ないのかな。レナちゃんの言葉を聞こうとしない、そんな奴に見えてるのかな」

「……」

「確かにあたしはあたしの話ばっかだし、うるさいし、バカだし、だけどそれは、そうだとしたら…やっぱり、ショックだよ」

「……」


…ダメだ、落ち込む。ドン底までいきそう。

いっつも笑顔で優しかったレナちゃんは、どんな想いで本当はいたんだろう。頼ってって言ってくれて、あたしを元気づけてくれて、一緒に野球を見に行ったり宿題教えてくれたり、それに楽しかったって言ってくれて、でも…本当は、どこかあたしの事信用出来ない気持ちがあって、それを抱えながら笑ってたのかもしれない。

本当の本音は、あたしにも言わないままいつも、奥底に隠していたのかもしれない。


信じてもらえない事も辛いし、そんなレナちゃんに気づいてあげられなくて、それなのに同じ気持ちだとか何とか言って満足してたあたしが…本当に、辛い。


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