優しくないっ、優しさを感じない!


「あ、返事きた。…え、明日?うそ!」


ワクワクと開いた次に届いたそれは、なんと突然の明日の放課後のお誘いだった。部活が無いから久々に一緒に帰ろうぜとのことで……マジで?ヤバイ、楽しみ過ぎる!


「わー!なんか最近良いこと多いかも!」


ニヤニヤ緩む顔が制御出来ない。でもとにかく寝ないとなと、あたしはおさまりをみせないワクワクをどうにか押さえ込みながらベッドに潜り込んだ。なんだかんだでもうすぐ12時。寝れるかなーなんて心配しながら目をつむったけど…それはいらない心配だった。

健康に健全に一瞬で眠ったあたしには、一瞬にして次の朝がやって来たのだ。そしてそれは…いつもより随分と、時間が足りない起床だった。


「うーん……ん?」


邪魔くさいアラーム音に起こされる事も無く、気持ちの良い寝起き。素晴らしい!二度寝は無しの方向で!と、時計を確認したあたしは、


「んなっ…なんでぇぇえ⁈ 」


まさに、飛び跳ねる勢いでベッドから身体を起こすことになった。アラームは鳴ってない。それなのに時間はいつもより30分以上遅い時間だってことは…つまり。

……どうやら、昨日浮かれて眠ったのがいけなかったらしい。


「アラームセットし忘れたんだ…!」


あたしはバタバタと慌てて、朝ごはんもそこそこに家を飛び出した。…頑固な寝癖をお供にしながら。

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