優しくないっ、優しさを感じない!
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「本当最悪だよー。もうね?アラームは繰り返しの設定にしようと心に決めた」
ピコンと跳ねた毛先が気になる。
何とか放課後までに直さなくちゃと焦りに焦ってはいたんだけど、それでもあたしが髪の毛をとかすためのクシなんてそんなオシャレなものを持ち歩いているはずも無く、それに気づいた親切で優しくて可愛いレナちゃんが「コレ使って」と、持っていた折りたたみ式のクシを貸してくれたのだ。
「そうだね。私も朝、目覚ましが鳴らなかったらと思うと…ゾッとするよ」
「大変だったね」と、心から不憫そうな表情でレナちゃんはあたしに同情してくれる。でもそれは同情…だけじゃないかも。もしや共感、してる?
「え、レナちゃんも朝弱いの?」
「弱いよー。後5分だけ…ってついなっちゃって、早く起きなさい!っていつもお母さんに怒られてる。それで渋々起きるの」
「へー、意外!レナちゃんってしっかりしてるからさ、なんか意外!なんか想像つかない!」
「え、そんな事無いんだけどなぁ。家じゃしっかりしなさいって怒られてばっかだよ」
そう言って、「昨日もね、」と、レナちゃんは苦笑いをしながら怒られエピソードを語ってくれた。
うーん。きっとレナちゃんのお母さんはうちのお母さんとは違って、目指してる所が違うんだろうな。あたしがレナちゃんみたいだったらお母さん、いつもあたしの事褒めちぎると思うのに。