優しくないっ、優しさを感じない!
ガラ、と、保健室のドアが動く音がする。きっと進藤だ。進藤がここから出て行った音だ。
「…何なの?本当…」
一人になった保健室で、あたしは呟いた。
「もう本当に、何がどうなってるのか分かんなくなってきた…」
めまぐるしく変わる環境に、あたしの頭はついて行く事すら厳しくなっていた。あたしは一体何のためにここに来たと思ってるんだ。一回一人になって頭を冷やそうと思ったのに。それでちゃんと考えようって、この先の事を、レナちゃんの事を、コースケの事を…それなのに。
「…入ってこないでよ。もういっぱいいっぱいなんだって…」
「あんただって分かってるでしょ?」そう言って未だに握りしめているメモへと目をやった。こんなの渡して…どういうつもり?あたしにどうしろっていうの?
「あんたの考えなんてどうでもいいんだから。あんたの思うようになんて…いかないんだから」
なんて思いながらもメモを捨てる気にはなれない、そんな自分がいた。そしてそれはきっとアイツの言ってた通り、きっと連絡する日が来る事をあたしも自然と感じ取っているからで…
…でも。
「…そんなの、怖い。これからあたしは、何にどうやって向き合って行けばいいんだろう…」