優しくないっ、優しさを感じない！

…なんだろう、この人は。だからとかつまりとか、あたしの話聞いてたのかな。こんなに真剣に話してたのに…もしかしてバカにしてんのかな、やっぱり騙されたのかな。

…だってさ…


「…必要な時は、連絡してって言ったじゃん」

『……』

「だから連絡したんじゃん、進藤に相談したくて」

『……』

「一人じゃ分かんないんだもん。どうしても不安なんだもん。だから進藤に一緒に考えて貰おうって思って、やっぱり進藤しか居なくって、だからーー、」

『うん。分かった』

「それなのに進藤は…って、えぇ？」


あれ？今なんて言った？と、思っていた展開と違ったそれに思わず聞き返してしまった。そしてもう一度進藤の言葉が返ってくるのを待ってみると、聞こえてきた返事に聞き間違ってはいなかった事が判明する。


『分かった。一緒に考えよう、どうやったら自分が信じられるか』

「……」

『つーか信じられるようにしてやるよ、おまえの事』

「……え？」


…でも結局、あたしはまた聞き返す事になってしまった。なんで急にそんな返事になるんだろう。思ってる事を毎度はるかに飛び越えてれるんだ、この人は。あたしの考えなんて及ばない、そんな所にいつもこの人はいるような気がする。

でも…だからかな。

だからきっとあたしは頼るんだ、この人の事を。