優しくないっ、優しさを感じない!


「えっと…進藤?」

『ん?』


いや、てゆーか不思議に思ったどころじゃない。


「いや…なんか…大丈夫?」


正直、心配になるレベルだ。


そんな初めての感じの進藤にあたしが恐る恐る尋ねてみると、進藤から返ってきた言葉は、『いや、俺的にはそっちこそ大丈夫なのかなって思うけど』なんて、またもや意味の分からない言葉だった。しかもまだ浮いた感じの声に笑いが去り切っていないのが分かる。


「あ、あたし?あたしの何が…」

『体調は?もう治ったの?』

「え?」

『色々あってオーバーヒートしちゃった神崎サンの体調は良くなりましたか?』

「え、えっと…」


…つまり、大丈夫って…素直に心配してくれたって事?え?それだけだったの?


「だ、大丈夫…です」


…なんか、変な感じがする。

かゆい。素直な意味で受け取るのがすごくかゆい。てゆーかなんか、今日はどうしたんだろう。なんでこんなに優しいんだろう。

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